このタイミングでアメリカにいたことは、とても意味深いものだったのかもしれない。カリフォルニアはとてもリベラルなので、基本的には民主党派・クリントン派。シリコンバレーにグローバルなテク企業群も基本的にはクリントン派だったのだろう。大方の人々はショックで絶望。仕事にこれないくらい衝撃という感じだった。街でも多くプロテストが行われていた。特にLGBTの聖地カストロでは、週末に大規模パレードがあったようだ。
結局誰が上にたっても、①そもそも二党の理念(銃とか中絶とかの議論)みたいなものに引きづられるのと、②現状への不満を『党をかえる=変化する』期待で置き換える、この2点のほうが重要だったのかな。いろんな意味で二分されてるアメリカ、グローバル化(で損をするアメリカ)への不満、を象徴した結果だった。
そんな中でいろいろ考えさせられたのが3点
①幼稚園での模擬選挙
②会社経営陣からのメッセージ
③女性リーダーシップ
①幼稚園での模擬選挙
生徒に実際に選挙させて選挙の重要性や仕組みを理解する。そこまではいいのだが、なぜヒラリーを選ぶのかなどを答えさせるのだが、完全に『親がいってることのコピー』。またヒラリー投票が当たり前、なぜならXXは悪い人だから、といった兆候は(たとえ事実上この州や学校の倫理的にそうだからといって)そうでない人が意見をいえないような雰囲気・・・いかなるものか?と思ってしまった。大人の社会環境ならまだしも、学校・子供ならなおさら、『そういう中でもきっちり中立で反対意見を尊重する』ことのほうを教えるべきでは?なんて思ってしまった。人々の多様性を尊重するっていいつつ、『その多様性主義』を尊重しない派を頭ごなしに否定するほうに誘導するってどうなのか・・・。うーん、ややこしい難しい。
②会社経営陣からのメッセージ
特に女性や・人種マイノリティー、LGBTグループなどへのメッセージはとても早かった。会社の上層部からの、『企業ポリシーには一切影響しない、継続して多様性を重視するから心配しないで』と。私の属している企業もそうだけど、名だたるこの街の企業群や旦那の事務所なんかも似たような反応だったとか。一方で、『こういう州・企業にいるからといって、皆が同じ反応とは限らない、そうでない選択をした人もいるのでお互いを尊重してほしい』と念押しもきっちり。いろいろ激動な社会、将来の不安が立ち込める環境の中での、いろんなメッセージ、議論。それだけみんなの衝撃がものすごいんだなぁ、というのを肌で感じる1週間だった。
③女性リーダーシップ
何かにつけて『女性の』大統領というところに注目・議論が集まってきたのも今回の特徴だろう。興味深いのは『女性』自体も分裂が深まっているという点。あえて日本風に名前をつけると・・・
1)昭和型肉食バリキャリ派
ヒラリーのような都市圏・エリート・セレブみたいなバリキャリママのすっごい女性陣とその予備軍、憧れ群
<対抗>
2)古き良き女性派
従来から(現在もだけど)なんだかんだで男性優位の社会で満足・得をする派。強いものにまかれたい派。ヒラリーや上記エリートやセレブには違和感・反感・妬みが強い。アメリカ一般的にはここが一番多いような感じがする。
3)ミレニアル的草食ゆるキャリ派
女性リベラル派だけど(日本でいう)昭和型ながっつり肉食系に違和感を覚える派。結局『たまたま女性』なだけでやり方は権力のある男性と同じにみえてしまうので、ヒラリーに魅力を感じない?世代もあるだろうけど。
日本でも女性のリーダーシップ、ロールモデルとかももりあがっていた(いる?)ころ、日本企業の中でそのような議論を3年くらいしたけれど、ここがとっても難しいところだ。1)をもちあげるばかりの方向性にいきがちで、実際の一般マジョリティはめちゃめちゃ萎えてるというのが本音だったりする。誰をたてるかで、浮動票がどっちにでもつく・・・。やっぱり男女は決して平等にはならないんだなぁ。
とはいえ、毎日めげずに地道にやっていこう・・・。