サンフランシスコ市の公立学校システムは、まじでいけてない。公立学校そのものは本当に素晴らしいところもあるんだが、申し込みというか選択というかそのプロセスがなんともフラストレーション。どうしてこのまま放置されているのか、市民に許容されているのか、今回の大統領選の結果と等しく甚だしく疑問である。
義務教育である初等教育であるいわゆる小学校はグレードはK:キンダーガーテンからはじまり、Grade1, 2, 3, 4, 5まであり、6,7,8とミドルスクールが続く。
一般的には公立の学校とは『学区』制であり、住んでいる地区ごとにに決められた学校があり、あまり悩まずにそこに進学するというものだろう。しかし、サンフランシスコは市でもあり『郡』でもあるということより『全地域統一学区制』というものをひいて一元管理しているとのこと。
The San Francisco Unified School District (SFUSD) is the seventh largest school district in California, educating over 57,000 students every year. San Francisco is both a city and a county; therefore, SFUSD administers both the school district and the San Francisco County Office of Education (COE). This makes SFUSD a “single district county.”
これが何を意味するかというと、
- 統一学区内にある64校あるうちから好きに選んでね。希望20校(!)書いてね。
- でも人数制限あるから人気校はくじびきで決めるよ
- あ、希望とおりにいかないどころか、どこにも入れないケースもあるよ
ということなのだ。(実際に確認した)
待って待って、『義務』教育の概念はどこいっちゃったの?どこにも入れないリスクありってどうすりゃいいのよ。
手順は以下のとおり
- 1月半ばまでに申し込み
- 3月に第一ラウンド発表(私立もここで発表)
- 5月に第二ラウンド発表(私立や転居家族との調整)
→ちなみに6月前半で学期は終了。そこから2ヵ月半は夏季休暇のため自由行動 - 8月に学校はじまるが直前に第三、第四ラウンド調整
- 9月になってようやく第5ラウンド最終確定
→私立に枠があいたりしてそこに動く人がいると公立も枠が空いてとか玉突きになるみたい
突っ込みどころ満載すぎて言葉にもならない。そもそもサンフランシスコ市の面積は122平方KM(10KMかける12KMの長方形におさまる感じ)、外周44KM。そのくらい小さい街なので、どこの学校になろうといいでしょ、どうせ車だし、そもそも希望出せるんだから的な感覚なんだろうか・・・。こんなところまでも自己責任の街。つくづく疲れる。品川に住んでるけど新宿の(小)学校に行くケースも十分ありえるってことだ。中学校高校ならまだしも・・・。
ということで、4~5歳を迎える子供をもつ親の選択肢は3つ
- 本命に入れたらラッキー。それ以外でも一年踏ん張り毎年公立・私立ともに空枠申し込みする
- 事前にお受験準備で私立学校になんとかもぐりこむ:年間200万~400万円(+寄付金)
- 『良い』公立学校保証の周辺地区に引っ越す
(イーストベイ、ノースベイ、シリコンバレー)
とはいえ、住民の回転率も比較的高いし、ともかく私立にいれたいというお金持ちもめちゃくちゃ多いし、なんとか収まっているというのが実情のようだ。さすがにくじ引きといっても人手が介在していて距離も考慮はしてくれていると思う、というのが経験者達の感想だ。
一方で、私立が全部だめだった、公立も結局遠いところだけだったみたいな友人もいて、上記1.の選択肢で3年後に私立に異動したというケースもきく。
うちはいろいろあって、渡米直後でよくわからなかったのもあり(期間限定と決めて)私立になんとか入らせてもらったものの、現在再度このプロセスをやり直し中。
ちなみに学校はこのサイトでいろいろ情報開示されているのでこれは必見。生徒の成績の統計情報や、親の収入バランス要素、人種比率も。前にも書いたが、不動産の情報サイトらにもこれらの情報が連携されていて、学校のスコアを1~10(おそらく高スコア8~10狙い)で参照しながら家を選ぶのが標準となっている。
ちなみに、先日サンフランシスコはアジアの街、とも書いたが、SFUSDの統一学区にいる子供達のデータからもそれが少しみてとれる。