SF ママチャリ日記

東京恵比寿・広尾から米国夫と5歳娘と39歳で初渡米。アラフォー育児に奮闘中。日本の電動ママチャリでサンフランシスコの急な坂も人生アップダウンも快走中。(その後ママチャリは3台盗まれたけど、迷走快走中)

プログレッシブ教育とは サンフランシスコ私立校での経験

SF引越し時の学校制度への勉強不足と、間違った人からのアドバイスを聞いてしまったがために、プライベート幼稚園お受験という無駄な努力をしてしまった私達。ま、結果的に娘のことや教育について、本気で再考・熟考するいい機会となったので、よし、としよう。Everything Happens for a reason... 

 

mksfo.hatenablog.com

で、教育についていろいろ学ばせてもらったことの一つに、プログレッシブ教育というのがある。教育には正解がない、と思うけれど、後学で誰かのためになるかもしれないので、あくまで経験談を書いておこう。

 

そもそも、プログレッシブ教育とは、というと、私達が日本でイメージする一般的な学校教育、をざっくり「伝統式」としたうえで、そうではないアプローチをとるもの、進化した方式って感じ。伝統式とプログレッシブ比較表はググればたくさんあるけれど、具体的には、この比較表が一番わかりやすかった。

Differences Between Traditional and Progressive Education

Traditional Progressive

School is a preparation for life.

School is a part of life.

Learners are passive absorbers of information and authority.

Learners are active participants, problem solvers, and planners.

Teachers are sources of information and authority.

Teachers are facilitators, guides who foster thinking.

Parents are outsiders and uninvolved.

Parents are the primary teachers, goal setters, and planners, and serve as resources.

Community is separate from school, except for funding.

Community is an extension of the classroom.

Decision-making is centrally based and administratively delivered.

Decision-making is shared by all constituent groups.

Program is determined by external criteria, particularly test results.

Program is determined by mission, philosophy, and goals for graduates.

Learning is linear, with factual accumulation and skill mastery.

Learning is spiral, with depth and breadth as goals.

Knowledge is absorbed through lectures, worksheets, and texts.

Knowledge is constructed through play, direct experience, and social interaction.

Instruction is linear and largely based on correct answers.

Instruction is related to central questions and inquiry, often generated by the children.

Disciplines, particularly language and math, are separated.

Disciplines are integrated as children make connections.

Skills are taught discretely and are viewed as goals.

Skills are related to content and are viewed as tools.

Assessment is norm-referenced, external, and graded.

Assessment is benchmarked, has many forms, and is progress-oriented.

Success is competitively based, derived from recall and memory, and specific to a time/place.

Success is determined through application over time, through collaboration.

Products are the end point.

Products are subsumed by process considerations.

Intelligence is a measure of linguistic and logical/mathematical abilities.

Intelligence is recognized as varied, includes the arts, and is measured in real-life problem-solving.

School is a task to be endured.

School is a challenging and fun part of life.

Source: Robert G. Peters, with thanks to the books Schools of Quality, by John Jay Bonstigl, andIn Search of Understanding, by Martin C. Brooks and Jaqueline Grennon, Independent Schools.

 

伝統式は、いわゆる、先生と生徒がいて、前向いて、同じ構造化されたものを同じ基準で覚えて詰め込んで、その成績で競いあって、みたいな普通のスタイル。日本を含めアジアではなおさらその色(歴史?)が強くて疑問すら思わないのかもしれないが。

 

プログレッシブは、従来のいわゆる権威的な先生と受け身の生徒、という教育スタイルに対して、生徒が能動的に、学校の枠を超えた地域社会とのかかわりをもちながら、グループワーク、プロジェクト形式で問題解決志向で学ぶのを重視するスタンス、というのだろうか。きめられた成績はつけない、民主的な話し合いや討議がメイン。アメリカ、とりわけ多文化共存で前向き志向のカリフォルニアの環境(およびテク企業のイメージっぽい)が好きそうなスタイルである。

 

うちの娘は1年間、幸か不幸かそのスタイルのさらに先端をいく私立TKクラスを経験することになったのだ。(注意:プログレッシブ私立の学校でもいろいろスタイルがあるので、あくまで私達の体験談ベースの所感である)

  • 過度なプログレッシブ方針は幼少期には疑問
  • 小学校高学年や中学校あたりできっと違いがでるんだろうが、それまで辛抱強くずっと続ける必要あり(高額私立に通い続ける)
  • 幼少期にはある程度「先生権威たるもの」も必要なのかも
  • プログレッシブに向かないタイプの子もいる
  • 向かない子に対する救済策や支援策はない(出て行け)
  • 幼少期でも「協力志向」「和」志向なので、会話やプレゼン中心となる。やっぱり英語ネィティブな子向け
  • なんだかんだで、G1、2あたりからは学校とは別に読み書きの家庭教師をつけてる子も多い
  • 学校運営は歴史が浅いところも多い、つまり、学校そのものよりもマネジメントや運営、コミュニケーションに不慣れ度が出る

昨年受験期に書いた自分の記事が下記、だけど、このときは自分の働く環境がプログレッシブ的だったので、その大人目線で近視眼的にみていて満足していたなぁ、と今は反省する。娘のいろんな特徴も知らずに、かつ長期間のコミットもできなかったのに、無駄に期待と投資していたなぁ・・・。

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うちの娘には、結論、今このタイミングでこの100%プログレッシブという方針は本当にあわなかった。もちろんぴったりハマる子もいる。子どもたちもいい子だし、娘はクラスも学校も大好きだった。今でも友人としてつきあってくれてる子たちがいる。が、あわないなぁと疑問に感じることも多く、子も親もストレスを感じるように。

  • 先生がなんか頼りない、ゆるい
  • 5歳児に必要なのは、ゆるいファシリテーターではなくて、もっと明確な基準(いいこと、悪いこと)
  • 周囲と協力してプロジェクトに取り組まない子、取り組めない子への理解は浅く、「おかしい」レッテルを貼って好きなことをやらせる(=放置?)傾向あり
  • ダイバーシティ重視といいながら、英語母国語としない場合や、多文化からの適応ラーニングサポートは基本一切なし、興味なし
  • 幼少期は人種ミックスだがGrade2くらいからほぼ白人のみ
  • 民主主義という名のゆるいコミュニケーションでいろんなものの基準が曖昧(訴えられないようになのかなぁ)
  • だけどやたら政治的なスタンスやメッセージは濃厚すぎ
  • 幼稚園生にまでアンチトランプな押し付けに疑問
    (もちろんSFにいるんだから、トランプ反対よね、的な)

はあ。いけないいけない。愚痴になってきた。苦笑。

 

本題に戻るが、プログレッシブ教育が悪いわけではない。むしろ、国際社会で今後戦っていく未来の子どもたちには、学校教育のどこかのタイミングでそれらを知っておく、経験しておくのはいいと思う。特に中学校以上、そして、大人でも遅くない。特に日本?!

 

なので、きっとベストなんだろうなぁと勝手に思うのはその混同度合いだろう。(下記イメージなので、なんの根拠もありません)

小学校低学年 伝統式80%、プログレッシブ20%

小学校高学年 伝統式70%、プログレッシブ30%

中学校 伝統式60%、プログレッシブ40%

高校 伝統式40%、プログレッシブ60%

大学 ※日本の大学こそ、きっとプログレッシブ方針をもっと取り入れるべきなのかな。

 

ここまでくると、伝統式とはなんだよ、という疑問が湧いてくるが、イメージ、イメージである。

 

サンフランシスコの公立でNo.2くらいといわれている有名学校Aから、息子さんGrade2で同じ私立に移籍してきた(SFに長く住むドイツ系旦那さまとアジア系奥様)友人夫婦がいわく、「理想は小学校はいわゆる伝統式で読み書きソロバンというか基礎重視で、高学年か中学校くらいから、こういうプログレッシブ教育の比重を高めたい。だけど、中学受験は競争激しくて入り口狭くて入れないので、やっぱり最初の入り口小学校で枠確保するしかない」とのこと。だが、半年たって、公立A校の前の同級生と読み書き系の学力、およびその意欲に差が開きすぎてしまったために、家庭教師(オフラインとオンライン)をつけはじめた、といっていた。彼らの息子のクラスでは、半分くらい「みんなにはいわずに隠れて」家庭教師をつけている、といっていた。年間400万円近くの基本学費払いつつ(アフタースクールや、寄付金はまた別)さらに、家庭教師かっ。なんてこったい。

 

ところで、サンフランシスコのIndependent School (独立校)といわれる、いわゆるプライベート(私立)でも、「伝統式」なスタイルの歴史の長いところもある。都内でいう、慶応や学習院?とかみたいな感じのも。なので、繰り返すが、私立だからといってプログレッシブではない。プログレッシブはあくまで考え方の原理原則方針なので、公立でもプログレッシブよりのところもある。モンテソーリなんかもその一部とされ、サンフランシスコ公立のモンテソーリも存在する。

 

最後に・・・

でも結局は、現場なんだよな。運と縁とタイミング。その子にあった先生がいて、気にかけてくれるサポートが多くて、という環境が一番いい。考えすぎてもよくない。今置かれた環境の中で前に向かって歩くしかないっ!!

 

 

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